思ふこと

日記的な雑記です

個人的な投資失敗談

世間は NISA で沸いてますし、オルカン推しの声が大きいかと思いますし、実際にオルカンも一番売れてるらしいですね。

オルカンの素晴らしさを語る人々は多数いますが、他の投資方法がオルカンと比べてどうなのか、理論的に語る話は多数あれど、実感が沸かず「自分ならうまくやれる」と思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では私の個人的な投資失敗遍歴を紹介し、その失敗から皆さんのオルカン一択への気持ちを強めていただけるとありがたいです。

投資デビュー

ゆうちょ銀行でお年玉を使って、行員の言うままに円奏会を買っていた気がします。

safe.tr.mufg.jp

たまたま相場が良くて、1年ぐらい運用して、ごくわずかなプラスで手放せました。上記のファンドは皆さんは絶対に買わないことをお勧めします。

当時は本当に何もわかっていませんでしたが、この経験から寝ているだけでお金が増える経験を得ることができ、投資への興味が湧いたのでその点は感謝しています。

テーマ別投資

テーマ別投資をやっていたことがありました。

go.sbisec.co.jp

具体的には全固体電池とフィンテックに分類されたそれぞれ10社合計20社に、単位未満株で投資するというものでした。 確か 3 年ぐらいは保有していたと思います。

個別株をもつ体験として、優待が届いたり配当金のお手紙だったり、株主総会の案内がくるという体験は、自分が株主になったことを強く体験できて良かったです。こち亀の株主回がめっちゃ好きだったので、漫画をリアルで体験できて良かった。

一方で、単位未満株だと配当金は本当に微々たるもの(100円未満とか)で、当時は郵便局に配当を受け取りに行ったりもしていて大変面倒でした。会社から見ても、明らかに配当金より配当金通知の手紙の配送コストの方が高かったと思います。

結局、いくつかの銘柄は買値の 30% ぐらいに値下がりしたり、上場が廃止されたりしました。 いくつかの株は上昇し、一時2倍をつけるものもありましたが、テーマ株の合計としては元本より若干のマイナスのまま推移していました。

結局、現金が必要になり全て手放しましたが、最終損益としてはマイナスだったと思います。 この経験で直近数年の業界を見通して株価を予想し買うといったことは無理だということが理解できました。

ロボアド投資

運用が下手くそなのでロボアド投資にすれば、資産クラスの異なる複数の投資対象に最適な戦略で自動で投資、リバランスができ楽だなと思い、当時は新進気鋭の WealthNavi をリスク許容度最大で始めました(おそらくほぼ最初期ユーザーです)。

www.wealthnavi.com

WealthNavi はそれぞれの資産クラスがどのように価格推移していくかや、配当先の銘柄などを知る機会を与えてくれました。 特に、コロナ禍など相場が荒れた際に、金が実際に値上がりしポートフォリオの値下がりをある程度防衛してくれている様などを実際に自分の資産として確認できたことはとても良かったと思います。また、もし別の資産クラスを買いたい場合は、どういった ETF を買えば良いかわかったという点でも良かったです。

一方で、手数料が高いこと、後から見てみると実は得られている利益がオルカンと大して差がないことから、投資についてある程度詳しくなった今、ロボアドをあえて選ぶ理由がわからなくなりました。 基本的には、投資家が自分でコントロールできる数少ない投資の要素として手数料をなるべく下げるというのが推奨されており、これにも納得しているため、1% という手数料はいささか高すぎると思います。

こういった観点から、長期投資においてはやはり手数料の安さが重要である点を理解できました。

WealthNavi は投資としてはお勧めしませんが、今の時代感があって面白いので、面白さを体験したい人にはお勧めです。

高配当株投資

FIRE が最初に流行り出した頃自分でもいろいろ調べていた中で、高配当株投資に出会いました。

いくつか Youtube の動画などを見た後に、結局 VYM を少し買ってみました。

investor.vanguard.com

VYM によって、実際にバンガード社の ETF を直に買うという経験をできて、その点は非常に良かったです。また、ドル配当金が四半期ごとに入ってくる体験をできたのも良かったです。

一方で、若者が投資できる金額で配当金と言っても、たかが知れてるので大して旨みはありません。例えば 10 万円投資して 4% 配当で返ってきたとして、税引後は大体 3%、つまり 3000 円ぐらいです。これいる? また、米国 ETF は配当が二重課税されるので、取り分も減って確定申告が必要だったりと全体的に面倒です。 大した金額でもないのでこの手続きをする時間をもっと有意義なことに使った方がいいと思います。

結論として、面倒だし大富豪でもないと配当金を得られる喜びは大したことないので、お勧めしません。

個別株投資

一攫千金を目指して個別株を買ったこともありました。 一時期 2 倍をつけていたこともありましたが現在は 30 % ぐらいの利益でしょうか。正直オルカンの方が安定的に右肩上がりの傾向で値動き幅も小さく、心理負担的にもパフォーマンス的にも良いと思います。

個別株投資は超ロングスパンで考えて持っており、かつ自分が握力を発揮できるほど惚れ込んでいる会社じゃないと成り立たないと言うことがわかりました。

現在は株主優待目的で一社、超ロングスパンを見据えた一社の合計 2 社しか持っていません。ちなみにどちらもインデックス指数に組み込まれているので、多分個別で持っている意味はあまりなく完全に趣味です。

その他の高リスク投資

私は心臓が小さいのでレバレッジ信用取引、FX や暗号通貨などは向いてません。よって興味も無いしやりません。 FX 戦士くるみちゃんやカイジは好きです。

じゃあ何を買っているのか

現在は eMAXIS Slim オールカントリーしか買っていません。

emaxis.jp

今後、ドルを取得する機会があれば、NISA が埋まった後は VT に投資すると思います。

investor.vanguard.com

なぜこれが良いかは死ぬほど語られているので割愛します。調べるのが面倒な人は私に聞いてもらっても大丈夫です。下記の記事を読んでもらっても良いかも知れません。

hayatoito.github.io

株主優待目的、もしくは趣味性が異常に高いファン株を除いて、今後の人生で個別株を買うことはないと思います。

まとめ

これまで書いたとおり、素人が低リスクで手が出せるものは大体試してみて、そのいずれもオルカンを超えるパフォーマンスを示さないことを実感してきました。 ぜひ皆さんはこれらを実感する前にオルカン一択で投資することをお勧めします。

最近の文化的振る舞い(202402編)

文化享受活動をしていてもアウトプットがある程度ないと、意味がないとは言わないものの勿体無い気持ちがある。

自分の思考の整理の意味でも、定期的に記録していきたい。

サイコロジー・オブ・マネー」を読んだ

タイトルの通り、予想に反して精神論に徹頭徹尾の本だった。 主に考え方的な話が本の 9.5 割であり、具体的にどのようにすれば富が増えるかといった手順書的な意味合いを持つ記述は最後の数ページのみという本だったが、むしろそういった精神論を包括的に学びたい人には向いているだろう。

個人的にグッときた話題は「富の比較ゲームに参加してはいけない」「吐くまで食うな」「別のゲームをしているプレイヤーから学んではいけない」「苦しい時は楽観的に、うまくいっているときに悲観的になれ、物事はあなたが感じるよりも上手くいってないし、悪くなってもない(うろ覚え)」ぐらいだろうか。 特に最後の言葉は今後の人生の中で何回も繰り返して思い出したい言葉、仕事で自分が失敗したと思っても、思ったほど失敗しているわけじゃないし、上手く行ってる時は慎重にことを進めるように身を引き締めたい。

今の時期、クオーターライフクライシスであったり、もしくは同じ年代で学校を卒業した仲間たちとライフステージが異なってくることで焦燥感を感じることは無いといえば嘘になるが、あくまでも自分の幸せを追求するために冷静に、身の丈に合った人生を過ごしていきたいと思った。 ということで多分まだ家は買わない。

「経済評論家の父から息子への手紙」を読んだ

山崎元さんの本で投資を正しい方向に軌道修正できたと言っても過言ではないため、少なからず好意を抱いていた矢先での訃報には少しショックを受けた。 この本が実質的な遺書になるため、楽しみにし、読ませていただいた。

感想としては、これまでの筆者の本はメジャーなものしか読んでいなかったのだが、本書はかなり人生論(特に仕事論)に傾いており、これまでの書籍では知り得なかった筆者の考え方が読める点は大変楽しかった。 一方で、筆者はワーカーホリックであることが非常に伝わってくる内容であり、人生を仕事に捧げる上でどう上手く立ち回りお金に困らないようにしながら自分のしたい仕事をするか、という内容で、そもそも仕事をしたくないという人間にとっては耳の痛い(というか興味のない)話になるだろう。 こういった毛色の本が筆者の著書には少なかったので、いつもの筆者を期待して買っている人は肩透かしを喰らいそう。

内容もかなり先鋭的だが、論理的であり納得感はある。ただ、リスクをどこまでどう取るかというのは個々人の判断に委ねられているので、あくまでも参考程度にというところか、投資と同じである。

とはいえ、息子への深い愛であったり、山崎元さんなりの人生の幸福について、また、一部の反省を持ってアクションを求める可愛げのある文体など、やはりもっと筆者に文章を書いて欲しかったと思わせる、哀愁のある一冊だった。

一つだけ気になったのは、子育ては早くせよという割に人生論について子育ての話題が一切挟まれておらず、キャリア構築の話と矛盾を感じるところがあり少しだけ時代錯誤を感じた。もし生きていれば、このあたりの考えが公開されることもあっただろうに、悲しい。

ちなみに最近やたら経済系の本を読んでいるが、普段から読んでいるわけではなく今はそういう気分だから読んでいる

十三機兵防衛圏のオーケストラコンサートに行った

www.4gamer.net

行ってきました。ゲーム音楽のコンサートはなんだかんだ久々で、楽しめた。

結構なマイナーゲームだと思うが、神奈川の辺境のコンサートホールが満席になっており、素直に好きなコンテンツの同好者が沢山いることを知れるのは嬉しい。 恥ずかしながら存じ上げない楽団だったが、非常に複雑な楽曲群にも関わらず非常に上手く仕上げて演奏してくださって、非常に嬉しさがあった。 -(ISOLEUCINE)- はダントツで好きな楽曲で、かつオーケストラ化は非常に難しいと考えられる楽曲だったが、涙が出そうなぐらいかっこよくアレンジされていて、最高でした。CD が発売されるそうなので絶対買います。

ゲーム系コンサートではあるあるだが、オーケストラコンサートでは頑なにシンセサイザーが構成に入らないことが多い、絶対あったほうがかっこいいのに...そんなにもオケにシンセサイザーを入れるのは難しいことなのだろうか。

一方で、どこかで見かけた話だが「いくら電子楽器で音楽を作っても、後世で同じ音で演奏できる環境が残っていないことが多い。アコースティック楽器で演奏できるよう残されたスコアだけが、時を超えて演奏されることができる」というような話を聞いた。 DTM をしている実感として、実際に 10 年前のプロジェクトを開いてもライブラリ管理やPC環境の移行に伴い、そのまま当時の音を再生できるのは結構難しかったりする。もちろんプロは違うと思うが、同じ問題にはいつか直面するだろう。 その観点ではオーケストラに最適化された楽曲として生まれ変わることで、時を超えて愛されるチケットを得たと思えばファンとして嬉しいことである。

ガンダム SEED FREEDOM を観た


www.youtube.com

かつてこれほどまでに愛をテーマにしながら直球の話の構成で視聴者に訴えたガンダム映画があっただろうか、というのが初回の感想。

SEED ってこういうノリだったよねと言われれば、そうだったような気もする、でも、なんか嬉しかったよね、こういうガンダムも産まれて良いっていう空気感が。実際すごく良かったし清々しかった。。。

こんなに直球にメカのかっこよさを出して、直球にヴィランを倒して、直球で愛の力で石破ラブラブ天驚拳して勝って、でもガンダムらしい登場人物の苦悩があって、みたいな、麻婆あんかけチャーハン、ミニラーメンセット、デザート杏仁豆腐付き、通なオタクくんが好きな水煮牛肉も付けといたよ、的な。お腹いっぱいです。

すでに 2 回観たけどもう一回ぐらい観に行きたいな。シン・アスカ、お前が一番輝いてたよ...。

ボーはおそれている を観た


www.youtube.com

やっぱりどうしてもアリ・アスターが好き。はじめて何の気なしに「ヘレディタリー/継承」を観た時から、心を奪われている。

Twitter(現X)で散々やばい映画と煽られていたが、感想としては試聴後にジワリジワリと味わいが出てくる良い映画だったし、冒頭のマッドシティだけかなり狂気だが、それ以外は割とマイルドな内容だった。ミッドサマーの方が 5 倍は気狂い映画だと思います。

一方で、「負け犬の気持ちを感じてほしい」という監督のコメントに完全に添えるわけではないものの、何か自分の人生を見返し反省する必要があるような気持ちにはなりました...。 大人になれないこと、恐れて踏み出せないことは人生誰にでもあると思うが、そういったことを全て責められている気持ちになる、そんな映画でした。

相変わらずの監督の独特の感性からくる演出は映像としても非常に迫力というか切れ味があって、やっぱり好き、の気持ちでいっぱいで、満足して映画館を出れました。特にエンドロールの演出ほんまに好き。劇場冷え冷えでしたよ...(褒め言葉)

不条理話が結構好きなので楽しめた。大枠ながら「ゴトーを待ちながら」に通じるところがあるかもしれない。

この映画が好きな人はこちらもおすすめ

filmarks.com

映画のメチャクチャ度は圧倒的にこっちの方が高いと思う、前半は眠たいけど

www.netflix.com

不条理感や試聴後のしんみり感が似てる。「もう終わりにしよう」は実際に「ボーはおそれている」の参考にもされたとかなんとか

gekijyo-movie.com

同じ系統の和製映画だとこっちになるだろうか。だが上の二つと比べると、映像的にも話的にもレベルが一段変わってしまう感...

漫画

キリいいとこまで読んでるやつ

ニセモノの錬金術

良かった。定期的に文字が多い異世界物を摂取したい、ここでしか得られない栄養がある。

「僕妻」は 2 巻ほど最新刊を読めてないのだが、この作者はやっぱり好きだなという感じ。

この漫画の単行本化の背景は全く知らないのだが、漫画自体は結構ストックがすでにあるようなのでこのまま単行本で読む予定。続きが楽しみです。 一部読者からは絵柄がどうこう言われてるらしいが、綺麗で可愛い絵だし、僕は好きです。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

映画化するし、おやすみプンプン好きだったし、1 ~ 5 巻が無料公開されていたのでまんまと乗せられて全部買って読んだ。 おもろかったが文字が多すぎる、こっちは逆に。

壮大百合物語で SF(少し不思議) 内容だったが、最後まで話が複雑で、分かったようなわからないような感じだったけど、二人が幸せになれば関係ないよねという感じ。 終わらせ方が若干力技だったのが残念。天国大魔境編ももう少し読みたかったな。

主人公たちが若者なこともあって、かなり毒が抜けた内容でありつつ、書きたいこと(?)にフォーカスできているような感じで、モチーフで出てるけどドラえもんを目指してた感を感じます。

劇場版を見に行くかはわからない。漫画でかなり満足したので。 おやすみぷんぷんは蔵書したいと改めて思った(現状蔵書できていない)

この子知りませんか

てぃーろんたろん先生のエロ漫画が好きなのでこちらも買って読んでる。

カスの人間を描くのが上手い。3巻まででもう終わるのかと思いきや謎のミステリー展開になってきて、この広げた風呂敷が回収されるのかがドキドキです。 でも連載しながらエロ漫画も時々出してるので強靭な肉体の持ち主なのかもしれない。先生頑張ってください。

破滅の恋人

絶賛されてそうだったので読んでみたけどよくわからなかった。有識者の解説を求む

終わりに

こうやって書き出すと程々に文化的な生活ができていることがわかるので良いと感じた。 今年は本を沢山読みたいと思っていたので、割と順調な滑り出しになっていて満足感がある。

下記の画像が有名だが、自分がコンテンツを摂取するという体験も、アウトプットがない限り個人に完結してしまっていて、私の中で言語化できない不満がある。

そういったアウトプットの練習をするためにこのブログを書き始めたのは良かった。でもあまり力を入れて書くのも億劫で面倒になるので、いったんはこれぐらいの粒度としたい。 少しずつこういった自分の決めた目標を達成していくことで、自尊心が培われるって、それ一番言われてるから。

今後も楽しく生きていきたい。

DIE WITH ZERO を読んだ

前々から気になっていた DIE WITH ZERO を読んだ。 下記感想文

Positive Points

本書の基本的なメッセージは「豊かな経験に投資せよ。そのため持ちうる金をなるべく多く使い切って経験に変換せよ。最も効率的に金を経験に変換できれば、死ぬ時点では 0 円になることが期待される」というものである。

大筋はこのメッセージであり、前半の数章はほぼこの内容を視点を変えながら説明している。 お金を死後に持ち越すことは不可能なため、最大効率でお金を使えという点についてはゲームライクな考えだが共感できる。

後半は上記の実行にあたり、一般的に障壁となるいくつかの点(老後資金、相続、人生でのリスクの取り方など)について説明している。 健康や体力を考えて適切なタイミングで消費をするべきであるとか、人生の残り時間を考えてやりたいことを計画するべきといった話は別の自己啓発系の本でもよく書いてあることであるので割愛する。

特に、新たな視点を得られたのは下記の点。

今できる経験を2回するために 10 年待つべきか

この説明は「ルール 6 年齢に合わせて金、健康、時間を最適化する」での「今、金を使うべきか迷ったら」からの一文なのであるが、現時点でお金を使わない場合、そのお金を年率 8% で運用した場合に 10 年で 2 倍になるという計算から導かれている言葉である。

8% というのは正直高すぎる年率だが、この視点は言われてみればがかなり具体的で、かつ自分が消費行動を起こす上で10年経った後に同じことを2回やりたいのか?と自問自答する良いベンチマークになりそうだ。

思い出の配当

普段なんとなく感じてはいたものの、より具体的に言語化された説明が読めてクリアになった。

豊かな経験はその後の人生でその折ごとに配当を発生させるため、なるべく早く経験した方が良いという説明は腑に落ちる内容だった。 今この時間を大切に、この瞬間に体験できる/すべきことに金を投じるべきで、早ければ早いほど配当の福利が期待できるという話。 これまでもなるべくこの原則に従っていたつもりではあったが、改めてこの原則の理論について学べた点は良かった。

長寿年金

そもそもこの金融商品を知らなかった。トンチン年金とも言う。というか日本の国民年金って実態は違えど利用者側からするとほぼこれに近いんじゃないだろうか。と思って調べたが、公的年金は制度や支給額の決定を国が変更できる点でトンチン年金とは異なるという説明があった。それはそう。

www.blackrock.com

長寿になる可能性に対する保険として、事前に保険金を積み立てることで死ぬまで一定額を受け取れるといった保険らしい。 日本では保険控除も効くので、長寿に対する不安がある人にはよさそう。

www.jp-life.japanpost.jp

ただ、実際に中身を見てみると個人的には自分で運用した方が良くない?と思ってしまう内容ではある。ただし老後はそもそも運用について正しく理解できるほど脳がまともな状態で維持できているか心配なので、これは一つの方法としてはありだろう。

今、必要としている人に金を渡すべき

まだ私自身はその段階にはないが、「死後に資産を譲ってもそのお金はより以前にもらった場合に比べて良い効果を発揮できない」という主張 これは相続/寄付の文脈で語られるがそれはその通り。という話が書いてあるので、自分がより年齢を重ねた時(早くとも 50 歳以降かな?)に改めて考えていきたいところである。

人生を振り返ったとき、オフィスで長時間を過ごさなかったことを後悔する人などいない

知ってた。

オフィスに行くことで良いこともあるが、なるべく最小化していきたいと改めて再確認。 今は幸いにもリモートワークで働けているが、今後出社が必要になった時、また改めて考えていきたいところ。

ちなみに本書は働くことが生き甲斐となっている人々に対してそれ自体は否定していないが、仕事と稼いだ金使った異なる経験を得る機会のバランスをとるべきであるというのは再三説明されている。

Caution points

給料が右肩上がりの前提

本書は給料が右肩上がりの前提であり、かつ歳を追うごとに若い頃の何倍も稼ぐといったような語り口で書かれているように見える。 もちろん「全ての人がそうではない点は注意してほしい」という注意書きがあるものの、実際には自分の給与上昇率を加味した上で消費行動に移るべきである。

具体的なメソッドの話が薄い気がする

本書は主に考え方については深く掘り下げられているが、では実際にどのように支出を計画すべきであるかというのはあまり詳しくないという印象だった。

具体的に死までに自分に訪れる週末の数を概算しろだとか、45~60歳の間に資産を崩し始めるべきなどの説明はあるのだが、具体的に、どのような計算式で、どのように資産を取り崩すべきなのかというのは少し解説が薄い。 老後に必要な資産を概算するための方法は説明されていた気がするが、これもかなりアバウトだと感じた。

筆者は億万長者

若い頃は違ったのかもしれないが、本書執筆時点で非常に経済的に裕福な著者の意見である。 もちろん、著者はその事をある程度自覚した上での万人に向けたアドバイスとして記述しているが、読者が同様に経済的に余裕があるかは別である。

FIRE と比べて

FIRE(financial independence, retire early) の原著も読んでおり、私個人は資産運用モチベーションの源泉として今でも良い本だと思ってる。

単純に本の内容で言えば、FIRE 側は具体的な節約方法や資産形成上の計算も詳しく記載があり、かつ非現実的な年率などで計算していない点が本書と比べると好印象だと改めて感じる。

FIRE は主に人生の前半について話をしており、DIE WITH ZERO は主に人生の中期~後期の話をしていると個人的に考える。 FIRE の主張ではとにかく早期に金を貯めてリタイアし、やりたいことはその後やる、といった考え。対して DIE WITH ZERO では若さやライフステージごとにしかできない経験というのを非常に重要視している点で異なる。

ただここも FIRE 側の本は注意点があって、FIRE の作者は(日本基準から見て)非常に高給の仕事を夫婦で実施しており、また質素な生活を組み合わせることで 30 代中盤に Fat FIRE(100 万ドルの資産を形成)を達成している。そのため、彼らには若いうちに得るべき経験を後回しにしても、比較的早い段階でやり残したことに取り掛かる余裕があり、やりたいことリストを消化する時間と体力が十分にある。

FIRE では築いた資産を使っての平常の生活を行う方法については議論されているが、著者が若いこともあり人生の終盤については特に話されていないような記憶があり、そもそも本として対象にしている年代が少しずれている気がする。

また、先にも書いたが本書は給与が右肩上がりでキャリアアップが前提となっている。対して FIRE は一度資産さえ築けば、自分のキャリア状況に関わらず資産による配当で生活ができるという点がある。 もちろん、資産が大幅に目減りする大恐慌が来るといった場合も考えられるのでどちらも弱点はある主張だなと思いつつ、不透明な未来に対して FIRE の方が若者にウケてるのはなんとなくこの給与右肩上がり前提が共有されていないことが理由にあるだろう。

個人的にはどちらの考え方も理解でき、そもそもの発想や話をしている時間軸からして直交している部分があるだろう。 唯一コンフリクトしそうな点は若いうちは金をつかって経験を積むべきという主張と、若いうちに節約して原資を貯めるべきという主張が食い違うことだろうか。 ただ、FIRE 側も、必要な息抜きはすべきだし、何にお金を使うかをよく考えよ(余計な贅沢品に金を使うな)という主張と理解しているので、若い頃の出費については概ね考え方としては本書と一致しているかもしれない。

自分の人生を最適化する

個人的には FI(financial independence)の夢は捨てきれていないが、全ての消費判断に「FI を先送りにしてもやるべきか?」という自問はしながら消費判断をするのはしんどいと感じている。 昔から買い物には頭を悩ませる方ではあったが、最近はその傾向に拍車がかかっている気がする(除く漫画)。 一方で、昔ほど色々なものが欲しくは無くなっており、本書に記載の「やりたいことの賞味期限を意識する」に近い記載の状況を若干感じ始めている状況。

実際に今が一番若いので、その時点でできることを精一杯楽しむこと自体は問題ないだろう。 じゃあ具体的にどの程度毎月出費を許容するのか...という話だが、結局ここが個人の悩みどころとして本書では特に解決策が示されていないのが難点だと思う。

ただ、人生に必要な出費をあらかじめ試算することが、浪費可能性についての解像度を上げる手助けとなるだろう。 まずは人生の見通しをつけるところから始めるべき。と思うが...普通に3年後どうなってるかもよくわからないよ人生なんて...と思うのもまた事実。

結局、何もわからないので、ほどほどに今を楽しむのが良いだろう。

確定申告2023の感想

給与の関係から確定申告をする必要があるのだが、税額の最適化を行いたく今年は普段よりいくつか多めに記入した。

備忘録的に書いておく

セルフメディケーション控除

www.mhlw.go.jp

単純にいうと薬局で第二類医薬品を年 12,000 円以上買うと超過分を医療費控除に申請できるというもの。 申告には定期健康診断の受診と薬局で医薬品を買った際のレシートが必要

今年は当初からこちらを意識しレシートを保管しておいた。 最終的にほとんどの購入金額は花粉症アレルギー反応を抑える錠剤となり、合計 14,000 円程度を記録したので申請が可能となったため申請した。

持病や風邪を引きやすく、市販薬でどうにかする習慣が身についている人などにはおすすめかもしれない。 私の今年のケースでは正直労力に対して控除される額が少なく、なんともいえない。

おすすめ度: 低(第二類医薬品ヘビーユーザーには高)

国税額控除

search.sbisec.co.jp

外国株の配当については、それぞれの国の法律の関係で二重に課税されている場合があり、この二重課税分を申告することで一部取り戻すことが可能。 申請にあたっては国税庁の説明が非常にわかりにくく、困難を極めた。

www.nta.go.jp

結局 Youtube でいくつかの解説動画を見て申請してみたが、動画ごとに説明が若干異なっており結局難しかった。 一応自分の理解の上で申請してみたが合ってなかったら怖い。

「特定口座年間取引報告書」については excel ファイルが証券会社からDLでき、これをそのまま読ませれば必要書類が完成するのでこの体験はよかった。

とりあえずやってみたが、そもそも私がもらっている配当なんて1万円かそこらなので控除されてもカスみたいな金額なので、大富豪にしかお勧めできない。 youtube の参考例も、配当で年100万円稼いでる人物を想定していた、年収400万円で配当100万円もらってる人間はどういう属性の人間なんだ。

お勧め度: 低(大富豪なら高)

寄附金控除

www.nta.go.jp

いわゆる巷ではふるさと納税として認知されているもの。

個人的にはふるさと納税制度はあまり賛成の立場ではないのだが、今年母校に寄付したため寄附金控除を受けられることと、本年度の出費がやたら多くて少しでも取り返したいという気持ちが働いたこと、今年はクレジットカードで 7% のポイント還元が得られる(どうやらこの還元率はふるさと納税界隈では別に高いわけではないらしい)という情報を確認し、流石に一度ぐらいやってみるかということで実施した。

ふるさと納税はやたら解説が充実しているが、母校への寄付については公益社団法人名を特定する必要があり、特に母校 HP には何も書いていないため苦労した。 ちなみに実際に減税されるタイミングは来年度らしく、その辺りを知らなかったので今年の税金出費は穏やかではない金額になっている。

実際に品物が届き始めてホクホクしたものの、ふるさと納税で納めた税金に対して実際に届いているものの値段は3割以下なのでぶっちゃけ自分で買える範囲のものになりあまりときめかない。 ただし、各地のマイナークラフトビールを知る/取り寄せる手段としては結構良いかもしれないと思った。

先に同じく、寄付結果の exeel ファイルを読ませると自動入力される体験は良かった。

お勧め度: 普通(各地のマイナーグルメを集めたい人、地方から都市にでており、郷土愛が強い方向け)

やってみての感想

セルフメディケーション控除」については明らかに手間の方が大きく、基本的に健康的な人間にはあまりお勧めしない。

「外国税額控除」は配当を大量にもらっている大富豪であれば有効かもしれないが、そもそも外国株配当を貰うぐらいなら配当再投資型の投資信託を買うべきであり、この控除を申請する必要がある状況自体が適切でない可能性が高いので、結局お勧めしない。

「寄附金控除」については寄付するついでに税金安くなるなら申告しておくか、程度のものに思える。ふるさと納税の手続き自体は、そもそも消費を選ぶのが面倒くさかったので、商品カテゴリと自分の寄付可能額を入力したら勝手にセレクトしてくれるサービスとかがあればもう少し使うかもしれないが、現住所の自治体がふるさと納税による税収流出自治体トップ10に入っているので流石に申し訳なさがあり、続けるかはわからない。

どちらかというとマイナンバーがもっと便利になって、これらの情報を自動入力してくれればありがたい。マイナポータルは激的に進化を続けていたので、今後に期待

2023年に何を買ったか

もう2024年になってしまったが、とりあえずブログネタというか備忘録として書いておきたい。

というのも、インターネットムーブメントの例に漏れず、まず手始めに「2023年ベストバイ」記事を作成してみようと思ったのだが、この記事を書き始める時点で去年何を買ったのか全く覚えていない、にもかかわらず昨年の出費で最も出費割合が大きい支出項目は「買い物」「電化製品」の二つで、今年の支出の見直しにあたりこの項目の無駄遣いを見直したいという思いがある。

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  • おまけ
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N度目の正直

すでに幾度となく人生で失敗しているブログ作成について、2024年を迎え改めてチャレンジしてみようと思う。 あくまで雑記として、記事を記載するハードルを極限まで下げる。 更新頻度も、記事内容も何も制限しない。

ただ、人を惹きつける文章は生成 AI の時代であっても変わらないものだと日々の生活で実感しているし、そういったユーモアのある文章を書けるようになりたいという純粋な気持ちを大事にしていきたいという意志の表れとして、このブログを書く次第である。

この最初のポストですら、ここで終わりとするぐらい、気軽に書いていこうと思う。